ordinary day

思ったことを気ままに。日々向き合って、自分や生活を心地よく。人を照らせる人間になりたい。音楽やカフェ、旅や自然。

手帳類図書館というものの存在を知ってしまった。

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昨日、雑誌を読んでいたら、手帳類図書館といものが紹介されていた。

 

その名の通り、人々の手帳を買い取ってそれを公開しているというものらしい。

システムについて、HPにこう書いてある。

 

システム
手帳類図書室のシステムは、国会図書館の手続きに近いです。
ピカレスク内のカウンターで受付。
目録から読みたい手帳を選ぶ。
カウンターで貸出受付。
読む。
カウンターにて返却。

 

そして、このようなことが書かれている。

 

手帳類は、手で書かれたもののまとまり(=帳)で、人々の日常的実践のコレクションです。本来、誰にも見せるつもりじゃなかった手帳類たちは、メディアでもメッセージでもないという変わった特性を持っています。ですから手帳類を読むには(これまで人類が自然に対してそうしてきたように)見出すしかないのです。100%主体的な読書であり、読書の拡張です。

 

本来つながらないと得られなかった誰かの一連の思考や実践は、手帳類によって、あなたは自由に読むことができます。

 

そして、手帳と一言といっても色々なジャンルがあるから、手帳類と名付けられたらしい。

(手帳、日記、雑記帳、各種ネタ帳、旅行記、交換日記、連絡帳、自由帳、学習ノート、就活ノート、イラスト集、デザイン案、闘病記、育児記録、小遣い帳、レシピ集、読書記録、未知の形式)

 

 

とても興味深いと思った。

私は手帳を持っている。

使い道は、予定を書き込み、たまにメモに使い、たまに自分の思いをばーっと書き、やりたいことを箇条書きにして書いている。

大体1年ごとくらいに買い替えているが、古い手帳は捨てるに捨てられない。そして意外と読み返すのが面白い。その時の自分の状況、想いを見ては、くすっと笑ったり今と変わんないなぁと感じたりする。

 

もし上のジャンルで見るとするなら、人の日記を覗いてみたいなぁと思う。

誰にも見せるはずじゃない日記にはきっと、その人がその人としか分かち合うことができない心の奥が書いてあるだろう。

それを見てどうしたいのかと言われたらはっきりと言語化ができないけど、多分私はそれに何かを見出すことができる。

人間臭さとか、表じゃない裏の部分とかが好きだ。

 

日記や思考を文にしたものは、突発的な会話よりも、深い所に行き着く気がしている。

人と直接会って会話をするには、テンポが大事であまり間を空けては会話が成立しないことが多い。もちろんだからこそ会話は楽しいし、好き。突発的に選んで出す言葉もその人を表すものとも捉えることができる。

だけど伝えきれないことも多い。たまに、あの時なんていえばもっと上手く伝わったのだろうか、多分自分の思った通りには伝わりきらなかっただろうなと考えることも多い。

文は、時間をかけて考えて問いかけて頭で整理してその人の中を巡ったものによるものだからより深い部分まで行き着くと思う。

人に見せるはずじゃない物ならばそれがもっともっと深い部分に達していると思う。かといって、書き手と読み手が完全に心を共有することは不可能だけど…

そういう部分というのはなかなか覗くことができないから、手帳類図書館、面白いと思う。何かしら発見があると思う。読み手によって必要な手帳も変わってくるだろうし、見出すものもそれぞれ変わってくるんだろうな。

 

 

そういえば、こちらをみて何となく思い出したのは、香川県の島にある「漂流郵便局」だ。

こちらは宛先の無い手紙を届けるところで、時々開局しているみたいだ。

これもまた数年前に知って、行きたいと思いつつ、開局期間と休みが合わずに未だ行けていない。

 

それともう1つ、豊島にある「心臓の音のアーカイブ」も思い出した。その名の通り、録音された人の心臓の音を暗闇の光が灯った所で聞くという、ありがちでごくごくシンプルな感じだったけど、これもなんだか好きだった。

年齢と性別と名前と国が表示されて、心臓の音をただただ聞くのだが、どこの誰かも分からない心臓の音をきいて想像する。その人の生活を。本当にただの空想で想像上の生活や人物は存在しないに違いないのだが、そうしたらその見ず知らずの人の心臓の音さえ愛しく感じた。

 

 

人の心、人間臭さ…AIとかなんたらという技術が発達してきたこの時代だけど、私はこういうのが好き。こういうのに触れていきたい。

 

 なんだか話がそれたけど、この手帳類図書館はは東京にあるらしい(ご存知の方いるかな?)
行ってみたい。東京に行くついでにと言いたいところだが、東京に行く予定なんてなかった。笑
これ目当てに行くのも良いかもなぁと思っている。

 

 

手帳類図書館

http://jimi.jp/collection/