ordinary day

思ったことを気ままに。日々向き合って、自分や生活を心地よく。人を照らせる人間になりたい。音楽やカフェ、旅や自然。

「されどわれらが日々」

著者 柴田 翔 「されどわれらが日々」

を読み終えた。
何十年も昔に発行された小説だ。

私は最初の方は時代的に少し難しいなぁと読んでいたのだけれども、途中から今の私が出会うべくしてであった本と思わずにはいられなかった。
私の今とリンクするところがあって、かなり感情移入というか、多分今私の感情を言葉にするとこういうことなんだと思うことが次々と綴られていた。
特に、主人公との婚約者が主人公へ向けて書いた手紙の部分。

これを読んで、私は
自分には何もないくせして相手が変わることを望んでいたのかもしれない。
相手のせいにして環境のせいにして、だけど本当は自分に何もないからということに気づかぬふりをしていただけなのかもしれない。
私は誰かのなにかに乗っかろうとしかしてなかったのかもしれない。
変わらない現状をただただ何の努力もせずに嘆いてたのかもしれない。
人との関係にしても自分自身の生活にしても自身の体調にしても。
どこかで向き合わなきゃいけないし、いつまでも見て見ぬふりはできない。
と思った。
時代は違うとしても、人間というものはそうそう変わらないのではないかとも思った。
気持ち、人との関わり、社会との関わり、本能、知能、知識、行動、男と女、個としての役割……


私はこの本にであったのは、あるブックカフェに行って、そこのお店の名前の由来がこの本からときいて興味を持ったから。
始めていったブックカフェで、その本をしり、図書館で借りて読んだ。
あのブックカフェにいかなければこの本とは到底であわなかったであろう。そのことにもなんとも言えない気持ちだ。

そんな偶然というような出会うべくして出会ったような、本との出会いが他にもあった。
それはまた別の日に書きたいと思う。


されどわれらが日々ー (1964年)

されどわれらが日々ー (1964年)