「マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法」
著者 エミリーワプニック
という本を読んだ。
マルチポテンシャライト=さまざまなことに興味を持ち、多くのことをクリエイティブに探究す人
この著者こそマルチポテンシャライトで、マルチポテンシャライトと自負するまでには興味が生まれ、失いの繰り返しで1つのことをやり続けれないことへの劣等感や人生の目的などを考えてしまう日々が続いていた。ミュージシャン、ウェブデザイナー、映画製作者、法律家…といろいろなことをしてきて今もなおそれは続いているらしい。
「子供の頃から繰り返し問われる大きくなったら何になりたい?の呪い」について「転職は1つではない」「スペシャリストとマルチポテンシャライトのそれぞれの価値」「生きるためにはお金・意義・多様性が必要でそれも人によって重点はそれぞれ」「マルチポテンシャライトの4つの種類」「辞め時と抵抗の違い」「不安への対処法」などなど…書かれている。
大きくなったら何になりたい?の呪い
「幼いころから聞かれる言葉。どんな気分だった?周りは「的を絞れ」「専攻を選べ」というが常に人は自分とは何者で自分の自分の人生の意味を理解しようともがくもの。外から、内からのプレッシャー自分という存在をめぐる、アイデンティティをめぐる悩みで心に大混乱が起こる。生涯続く悩みなのだ。」
とある。
確かに幼いころから親からあまりそういうことは言われなかった気がするが、祖母や親せき、少し大きくなると学校という教育の場で散々聞かれた。
一番記憶に残っているのは、小学生の卒業文集の将来の夢についての作文。なんかよくわからい脅迫感、文集として文字としてみんなの中に残るもの。ちゃんとしたものを書き上げなきゃいけない。だけど私は何になりたいのだろう。そんなきちんと宣言できるものはなかった。だけど文集を仕上げるためにも書かなくちゃいけなくて、私はそのころ好きだったお菓子作りの職業、パティシエと書いた。なんか嘘で塗り固めたような、自分を騙したような。きちんとした文章でできあがった作文はなんだか書き上げたものの後味が悪く、気持ち悪く感じたのを覚えている。
そんな風に、誰もが昔から何になりたい?将来の夢は?ときかれ、小さい頃は気軽に答えられていたけれども、年齢を重ねるにつれて軽々しく口にできなくなるという経験はないだろうか。別に言ったものに本当にならなきゃいけない訳でもないし、1つに絞らなくちゃならない訳でもないし、きちんとした職業を上げなきゃいけない訳でもないのに。
生きるためのお金・意義・多様性
「幸せに生きるためには、お金、意義、多様性が必要。これはキャリア論ではなく人生設計そのもの。人生全体でこれらを満たせばいい。」
私の中のこの3つの立ち位置を考えた。
「意義>お金>多様性」かもしれない。
「なぜ、なんのために、わくわく、刺激」それが一番大事。自分が生活していてそれが感じられないのは非常に苦しい。
私はお金は手段として必要ではあるけれども目的ではない。
1つのことをずっとしているといつかはマンネリ化してしまうし新鮮味がなくなるので多様性は必要だけど、私はあまり器用ではないので多様性ばかり求めると余裕がなくなり頭の中が散らかった感じになるので多様性は欲しいけどほどほどにという感じもある。
でもどれか1つが満たされて次を求めることができるので、必ずしもこうとも限らないな。明らかになにか1つが欠陥したらどれも崩れていきそうなので全体でうまく保つことが大切だと感じる。
マルチポテンシャライトの4つの種類
「グループハグ・アプローチ」
1つの仕事や職場の中でで多くの役割を担い、多くの分野を行き来できること
「スラッシュ・アプローチ」
パートタイムの仕事をいくつか掛け持ちして、日常的に飛び回っていること
「アインシュタイン・アプローチ」
生活を支えるのに十分な収入を生み出し、他の興味や情熱にも捧げる時間とエネルギーを残してくれる1つの仕事をすること
「フェニックス・アプローチ」
1つの仕事を数か月~数年したあと、別の業界で新たなキャリアをスタートさせること
(その繰り返し)
それぞれの特徴、向き不向き、良い点、リスクが書いてある。
「辞め時と抵抗の違い」
辞め時・・・自分なりの終点に行きついた。ここで学べることはない。スキルの習得。プロジェクトの完遂。達成感。やっていることが容易くなる。退屈。じわじわ湧き出る感情
抵抗・・・恐れや自信喪失や不安。変化を起こしたり無理をしたり何かを生み出すためのリスクを取ることを阻もうとする感情。次のステージに行くとき安全地帯へ居続けてしまう心。わくわく感ややりがいは心の奥にまだ残っている。突然襲ってくる感情。
不安への対処
期待値を上げすぎない
ささやかな成功を記録に付ける
外野の声に耳を傾けすぎない
自分に優しくなる
行動を起こす
などなど他にも細かくたくさん書いている。
この本を読んで
そもそもこの本を手に取ったのは、最近今いる職場や日々の生活で「私が今やっていることは誰でも代わりがきくことだ。私しかできないことってなんだろう。あるのかな。ここの一社員としてじゃなく、職場でも職場じゃなくても私が私としてもっているもの活かせるものってなにかないだろうか。私だから必要とされることが欲しい。興味があるけどやらないことだらけだ。スキルや経験、今の私はなにもない。どうしよう。」ということから。
自分はマルチ・ポテンシャライトとかと言えばそうでもあり、そうではないのかもしれない。
そしてなんといっても私には何もないからという焦りからスキルや経験を手に入れたい訳じゃなくて、心から自分が楽しめることやわくわくすることに取り組みたいのだ。
いろんな生き方があっていいのだとは思えた。4つの種類以外にもこれだけに留まらないほかの生き方もあると思うけど、こんなやり方もあると知識として頭の隅に置かれたことは良かった。
経験上このやり方は合わないというのも分かってるのもあるしまだ未知の領域な部分も多い。自分が健やかなわくわくするライフスタイルを送れることが大前提なので、色々試して自分に合ったスタイルを見つけたい。
好きなことを次々と仕事にしたい訳ではないしないと思う。
「好きなこと=仕事=自分」というのは合っているようで自分の中に違和感が生まれる。そこに仕事が入るのが。仕事関係なく好きなことで構成されている自分でいたい。
「好きなこと=人生=自分」の方があっているかな。
「仕事」を考えるのではなく、まず「人生」を考えようと思った。どんな人生を送りたいのか、身近に考えるとどんな1日を送りたいのか。そこからもう1度考えてみようと思った。
うっすらでもいいので興味があること、記憶を呼び起こすと前興味があったこと、これしようと一度でも思ったことがあることなどを全部ノートに書き出してみた。これもまた頭の中が散らかっている状態でなにから始めようか、特に今やりたいこと、わくわくすることはなんだろうか、仕事が終わってからの時間でできることはなにだろうか、今の生活で身近からできること、無理なくできることは?思考は動き出したのだけれども具体的なプラン、行動がない。ぐちゃぐちゃだ。
それを整理・絞っていきたい。
今でも少しやっているけど、小さな成果でもどんどん記録をつけていこうと思う。
小さなことでもちょっとずつ自分の行動がかわっていくことが目に見えてわかることはやはり良い。
今の時点で言うと、「ストレッチを夜行うようになった」「健康について情報収集」「職場で以前よりは人に教えることができるようになった(上手なわけじゃないけど心持ちが多少かわった)」「お昼ご飯を作っていくようになった」「休みの日の朝を有効活用する」「クラリネットを購入した」などなど…
どれもできなかった日、気分が向かない日はあるけど、ルールは緩めにそんな日でもこれだけはできたとそちらに目を向けていきたい。
仕事としてというよりは人生として考えて読むことができ、いろんな思考が動き出した。
マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法
- 作者: エミリー・ワプニック,長澤あかね
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2018/08/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る