自然の中をただただぼーっと歩いて美味しいご飯を食べる。
美味しいご飯と言うのは誰かが握ってくれたおにぎりとか、誰かが作ってくれた味噌汁とかそういうの。
たまに出くわす人と挨拶を交わす、そのうちの何人かと少し会話をする、素敵な笑顔を貰う。
あぁ、生きていて良かった。
じわじわと胸の奥が熱くなってくる。
私にこんないいことがあって良いのだろうかと、多分生きていて幸せなことってこういうことだ。
ずっとそこの土地で暮らしている人は大抵こういう
『なんにもないところだよ』
と。
それはその土地の生活に根付いている人にしか言えない言葉。
当たり前になって身近になると特別浮かび上がって見えなくなるもの。
始めていく人にとってはとても特別に見えるもの。
無かったら無いという、あったらあったで足りない飽きたという。
私は何がほしいのだろうか。