江口寿史さんのイラストレーション展『彼女』に行った。
めちゃくちゃファンとかではないし詳しく知らない。
ただ、近くでしているということと、宣伝のポスターを駅で見ていつも気になっていた。
この人の絵はかっこいい。惹かれる。
さまざまな絵が展示されている空間。
この人が書く彼女たちにはパワーがある。力強さがある。こんな風に書いてもらえる彼女たち。そこに凜と存在している彼女たち。凄く羨ましく思った。
そんな紙に収まった彼女ばかりの空間はエネルギーが満ちているようだった。
他のなんの邪魔がないその空間には圧倒をされてしまった。
この方は、マンガ、CDジャケット、広告、雑誌…などなど漫画家とイラストレーターとをやってこられた方。
CDジャケットのイラストが展示されているコーナーでこんな言葉があった。
『僕はずっと音楽に助けられてる。そりゃ恩返しって気持ちではりきってやりますよ。』
あぁ、いいなぁ。
それぞれがそれぞれの自分の出来ることで、好きなことで誰かになにか与えて受け取って、与えて受け取ってで循環している。
もしくはそれぞれが誰かに価値を生み出させるほどの何かを世の中に放っていて、いつの間にか循環している。
『僕は自分が絵を上手いなんて思ったことなんてない。ただ自分の絵が好きなだけなんですよ。』
という言葉もあった。
それが1番だよなぁ。
物事の真髄じゃないかな。
それさえあれば生きていけるんじゃないかな。
なんて思っていたりする。
今回行って感じたこと。
作品自体、空間にびんびんとエネルギーをもらった。
私も描いてもらいたい。もしそれが叶うとしたら、どんな風に紙におさまるのだろうか。
土曜日には抽選で江口さんに描いてもらえるというイベントがあるみたい。いいなぁ羨ましいなぁ。
1番重要なこと、
私も『何かを誰かに与えたいんだ』
ってことに気付いた。
今回のイラストレーション展で、正直、期待をしてなかった、こんなにも心が動かされるとは思っていなかった感覚を貰った。
何かしらを受け取った。
今までも知らず知らずに感じていたこと。
私も音楽には度々助けられて来てるのだけど、なんだろ、心がきゅーんとなったり、わくわくなったり、うっとりしたり…言葉じゃ表せないけど解放感、高揚感、リラックス。どれもあってるようでどれも違うような、一言では表せないこの感覚。
歌に声に演奏にライブでは空間自体に心が動く。
あぁ、いいなぁ。私もこんな風になりたいなぁ。
歌うことが好きな私は、私もこんな風になれないかなぁ。と思っていたことがあった。今でもたまに思う。到底無理だろうけどね。
でもそんな感覚にしてくれるものを、私も誰かに渡したいと思っていたんだ。
なにかが私の平坦な心をこんなに浮き上がらせてくれる。こんな感覚をわたしに与えてくれる。それを私は知っている。知れている。
誰かにもそれをしってもらいたい。
私にもなにかしらでそれをしたい。
理想はいつの間にか、知らない間に誰かに何かを渡していたという感じ。
なんでも良いんだ。
しかも大勢じゃなくて良いんだ。ステージの上に立ちたいとか世界中の人たちに、とかってそんな大それたことは望んでいない。
今目の前にいる人とか、たまに会ってくれる人とか、たまたまレジをしてくれた人とか、そういう人たちでいいんだ。
特別なものは持ってないから、私の言葉でも笑顔でも行動でも文章でも、それをみて何かしらをもらった人がいたらうれしい。
何かしら渡せてたらとっても嬉しい。
なんでもいいといいながら、本当はそ自分の武器となるようなそういうなにかが欲しいのだと思う。
でもなにがあるかがわからないし、なんにもないともうっすら思っている。
ほんと、私には何があるんだろうね。
しかも普段の行動さえもそんなのとは程遠いのにね。
行って良かった。