夏休みになってあちこちで家族連れを見かける。
あぁ、いいなぁと微笑ましく思う。
ということは、私はそれを羨ましく思っているのだろうか。
もうそんな日は来ないと思っているから。
友達が夏休み、うざい。こっちは働いてるのに!とめちゃくちゃ言っていた。
私はまぁまぁ、自分にもあったでしょ?と宥めた。
けど少しその気持ちもわかる。友達ほどめちゃくちゃに言うつもりはないけれど。
と感じた自分に、なに友達の前では良い人ぶってんだろうと思った。ちょっと気持ち悪かった。
夏とはあまり相性がよくない。
言い訳だろうか。
無性に空虚感に教われる。
部屋で脱け殻のように横たわって窓から見える空をぼーっと見つめる。
綺麗な青と入道雲。
どの夏にもその記憶はある。
そして感情もなんとなく同じ。
暑いのは苦手。寒いより苦手。
体が重くて頭がぼーっとする。動きが鈍くなる。
蝉の声に頭が割れそう。
蝉の存在を否定する訳じゃないけど、突進してくるセミは嫌い。
夜は必ず毎日1回は起きる。
何故だろう。クーラーを付けていても起きる。
暑さで寝苦しいだけじゃないらしい。
夏は安眠ができない。
それだけで疲れる。
お祭りが好きだ。花火大会が好きだ。
だけどそういえば一緒にいく人がいない。こっちに友達いないんだった。
と毎年同じことを思う。
夏の夜は好き。
そうか。だからかもしれない。
なんだか夜、そわそわするのかもしれない。
夜風が気持ちよくて、虫の声が心地よくて、この時間がずっと続けば良いのに、ここにずっといたい、このままどこかに行ってしまいたい、明日が来なければ良いのにって思ってしまう。
海辺に行くと尚更。波の音が心地いい。風がますます出て気持ちいい。このままここで一晩明かしてしまいたいくらい。
夏のせいにするのは簡単。
なんでもかんでも夏のせい。