自分の暮らすまちとはちがう場所で自転車を漕ぐ
住宅街、幹線道路、路地裏、坂道、畑のすぐそば、トンネル、川沿い…
この日は向かい風に力を奪われるほどに強い風が吹いていた。
暑い、とにかく暑い。ぽたぽたと汗が垂れる。
1人でシャワーを浴びたようになっていた。
でもなんか気持ちいい。
こういうのが足りてなかったんだ。
やっとわかった。
夏の記憶が蘇る。
人のいない静かなまちを自転車ではしる。家はあるのに、車は走っているのに、人はいない。なんだか悪いことしている気分とわくわく。突き進んだり、引き返したり、気になる道で止まってみたり。たまにマップをみながら。
まちの人は当たり前だけど道に詳しい。近道を教えてくれるけど、聞いても大体わからない。
謎の山登り。汗だくで頂上で寝っ転がって数時間を過ごす。
顔を真っ赤にして、汗だくになって、化粧なんか気にしない。(日焼けはきになるけど)
静かな海を眺める。波の音。夜の海。誰かの弾き語り。
移動の電車では疲れてうたたね。
夜はすぐさま眠りにつける。
暑いのは苦手だけど、なんだかんだこういうのは好きみたい。
思い付きで計画立てずに行ったから、ここは行っとくべきみたいなところには行けてないし、美味しいものも特に食べてはないし、行きたいカフェは、既に受付終了だった。
ほんと、自転車でまちを駆け巡ってきただけだったけどなんだかよかった。
このまちに行ったのは2度目。
何にもしらないけどなんだか好きなまち。
坂越駅下車