時間

時間が速く感じたり、遅く感じたり誰もがあると思う。

昔は１日が遅くて、周りの大人をみては、あぁ私も早く大きくなりたい。そこまで辿り着くにはあとどのくらいの膨大な時間を過ごせばいいのか。
なんてことを思っていた。
どうしてそんなに大人になりたかったのだろうか。
未来に期待していたのだろうか。
大人になったらなんでもできるなんて思っていたのだろうか。
私は未来をみて、少しだけ期待をして生きていたみたいだ。

最近は毎日があっという間。時間が速い。１日が早い。１ヶ月が早い。……
それは年を取ったからだろうか。
毎日が充実してるからだろうか。
ある人によると『決まったサイクルの毎日だから』らしい。なにかイベント作ったら？って言われた。

でもあれ？ちょっと待ってよ？昔は決まったサイクルの毎日だからこそ長く長く感じてたと思う。今は決まったサイクルの毎日だから早く感じるの？どういうこと？それが年を取ったということ？
よくわからない。

確かに今は、繰り返しの毎日にないこと（誰かと会うとか、どこかに行くとか）があると、その時は時間があっという間で、もう帰らなきゃとかもうお別れかと思うのだけど、家に帰って布団に入って考えたり、次の日の朝に思うのは、『あれ？こんだけしか経ってない？長い間その場所にいたような、その人と居たような感覚だったなぁ。』ということ。
不思議なことに、その時と後々思い返すその時の時間の捉え方が明らかに違う。
分かりにくいかもしれないけど、実際の温度と体感温度の違いみたいな感じ。（ますます分かりにくいか）

昔は、決められたサイクルがとても遅く感じ、なにかイベントがあればあっという間に感じた。
今は、決められたサイクルがとても速く感じ、なにかイベントがあればゆっくりに感じる。

どうやったら毎日にイベントをもたらすことができるのだろうか。
大層な特別ななにかを望んでいるわけではないのだけども。いつもと違う道を歩く、よさそうなお店を発見した、話したことのない人と話した、心の響く言葉にであった、表情の違う空を楽しむ、明日はなにしよう…そんな些細なことでいい。だけどそれが意外にも難しいなと思う。

大人になりたいとはもう思わなくなった。
それが、ただ単に年を取ったからなのか、未来に立った今、期待するほどのものじゃないと思ったからなのか良くわからない。（別に今が嫌いなわけではないのだが）
だけど毎日がそんな些細な時間で溢れるようにしたいと、どこに向かえば何をすれば…と分からない何かに向かってもがいている。