「僕の体は止まったままで 時速200㎞を超えている
考えるほどにおかしな話だ 僕は止まったままなのに」
BUMPOFCHICKE / 銀河鉄道
ふとこのフレーズが思い浮かぶ。
時速200㎞はさすがにないけれど、今日はほぼ電車に乗って過ごした。
そしてほぼ寝ていた。
寝ているのに、移動している。
降り立った所で特別満たされることなく、滞在3時間くらいで、片道2時間40分掛かる電車に乗り込んだ。
何やってんだろう。
とにかく、目に入る景色を変えたかっただけなのかも。
この曲には、「僕は止まったまま」というフレーズが何度もでてくる。
この「止まったまま」は物理的にだけではないね。
僕自身の人生、日々が前進している感覚がなく、自身で分かっているけどどこに進めばいいのかという悶々とした状態で、人に言われるまえに「僕は止まったまま」と自分に当てつけ、困惑、苛立ちが混じったかのように繰り返し呪文のように唱える。
最後には「動いていないように思えていた僕だって進んでいる」と感情の落とし処を見つけるんだけれども。
電車は不思議だ。
真正面に座った人との微妙な心理的距離。
車両内の雰囲気。
乗車人数が少ない時の変な仲間意識。
電車は、心地よい。
夜、よく眠れないのに電車ではすぐ眠たくなる。
電車は、乗車や下車してくる人数や年齢層で大体この駅周辺はどんなまちかが想像つく。
車窓から見える景色で暮らしを想像する。
電車では椅子取りゲームがあるみたい。
どこに行っても、少し進めば定期的に景色が変わる。
家々が、高い建物が、田んぼと山々が、大きな川と橋と整備された河原、並木道、公園…さほど変わらないね。違うのは人なのかもね。
今日降りたまちでは、自転車の人が横断歩道のだいぶ後ろで信号待ちするのが印象的だった。歩行者の邪魔にならないように道をふさがないようにだ。きっと。
その人だけかと思いきや、みんなそうだったので、このまちに根付いているんだとすぐに分かった。
心配り。
良く考えれば当たり前のこと。でもそういう光景をあまり見たことないし、自分もしてこなかったので、はっとした。
この曲、銀河鉄道は乗車時間に起きたことと僕の感情の描写がされている。
その瞬間を切り取った詞といえばそうだけど、人生という長い目の視点もある。
私は止まったままでも、常に外も内も変化をし続けている。
これが本当の電車旅なのかもしれない。
今日のそんな1日。