電車に乗りこもうとした瞬間、何かが私に触れた。
「これって○○に停まりますか?」
下には小さな女の子。
(…………。!!私の降りる駅と一緒だ早く答えてあげなきゃ)
「停まりますよ~」
……………
「ありがとうございます」
「は~い」
電車に揺られながら考えた。
私は良い受け答えが出来ていたのだろうか。
声のトーン、表情、乗り込むタイミング。
私は女の子にこう思って欲しくない。
人に尋ねるという立派な行動が出来る女の子が、こんな風に返されるなら聞かなきゃ良かった。冷たかったって。
次からその行動が怖くなるようなことにはなって欲しくない。
そんなに気にする程のことではないかもしれないし、そんな繊細な子じゃないかもしれない。
でもこういうちょっとしたことは、良くも悪くもその人に積もっていくと思っている。
人は助けてくれるんだ、受け止めてくれるんだ。困ったら聞けば良いんだ!
とその行動がいつになっても変わらずにできて欲しいなと。
大人の私が躊躇してしまうそれを、知らない子に願ったのでした。