「逃避先を選ぶ」というのをサクちゃんの言葉で思い出した。
最近、ヒグチアイのインスタのストーリーズで「20代の恋愛映画をおしえて!」と募集していて、その回答と実際にヒグチアイが見た感想があげられていたので、私も見てみた。
逃避するなら、漠然とネットを徘徊するのではなく、前から見てみたいと思っていた映画や本に逃避する方が良いよね。というのがサクちゃんの言葉。
私の好きな人(ヒグチアイ)を好きな人(リスナー)がおすすめして、その好きな人(ヒグチアイ)が良かったといういう映画を単純に見てみたいと思った。
ヒグチアイは、13時間とか寝ずに紹介されたやつを見たらしい・・
私がみたものは、
「ちょっと思い出しただけ」
「劇場」
「mellow」
「勝手にふるえてろ」
その中で印象に残った「勝手にふるえてろ」
もともとの原作は小説。
これは、誰とも付き合ったことのないOL(ヨシカ)が主人公。
中学の時の初恋相手をずっと脳内で膨らませて片思いを続けている。
会社の人から熱い好意を受け、初恋と現実で揺れ動くコメディな恋愛映画。
面白おかしく、物語は進んでいき、でもふとしたところに人間のこころがちゃんと描かれていて好きだった。
ヨシカは、不器用で心が固い女の子なんだなぁきっと。
一般論では変わった人といわれる類。
極端で脅威的、思い込み激しいタイプだと思う。
自分で自分の気持ちが分からない女の子なんだろうな。
それを自分でもわかっているような。引け目を感じているような。
でも、そこが人間らしいというかなんというか。
映画の中だけど、応援したくなるというか、同化してしまうんだよね~。
私もこういうところちょっとあるんだろうな。
何個かはっとするシーンがあった。
コンビニの店員、釣り人、駅員、バスの隣の乗客、店の店員などに妄想を語るシーンが序盤からあるのだけど、終盤にそれが崩れていくシーンがある。
初恋相手に再会して、「一君って人のこと君って呼ぶひとなの?」といって「君、名前なんだっけ?」の言葉でショックを受けたあとのこと。
ヨシカが歌い出すシーンに入る。
「この人の名前を私はしらない」
と今までさんざん話していた人の前でミュージカルみたいに歌っている。
「話してみたかったんだけどそんなの怖くてできません。」
「この距離が私と世の中の限界。おじさんも私も透明だ」「誰にも見えてないみたい」
悲しい。痛かった。
妄想を話していたことも妄想だったのかな??と思った。
そんな風に思うことあるよねー。
クライマックスのヨシカと告白してきた男性が激しく口論してるところが凄くよかった。
こんだけ気持ちをお互い激しくぶつけ合える相手なら相性ぴったりじゃない?
ぶつかるって、怖いことなのにそれができるって羨ましい。
どうでもいい人だからぶつかれるのかな?
それとも大事な人だからこそぶつかれるのかな?
言いやすい人と言いにくい人はなにが違うんだろう?
と見ながら思った。
この最後の流れ最高だなぁ。
「この歳でなにか成し遂げている人なんてこの地球上に存在しねーよ」
とか
「どんなに好きだろうと相手に全部むき出しにしなだれかかるのはよくないよ」
って言葉なんか、入ってきたなぁ。
演技もめちゃめちゃよかった。
逃避先であっても、色んな作品からなにかをもらっている。
最近、そういう、あらゆる創作されたものにありがとうの想いが強い。
救われてる。